来週11月8日(火)はロイクラトンです。
コロナ規制明け最初のロイクラトンなので、盛大に行われる場所もあるようです。
しかも今回はちょうど皆既月食が重なり、タイ時間18:44をピークに月が赤茶色になって満ち欠けの天体ショーが観られます。
ロイクラトンとは旧暦12月の満月の夜に、川の女神「プラ・メー・コンカー」に感謝の気持ちを捧げて、灯篭を川に流す風習です。日本で灯篭流しというと、原爆の日の広島や、お盆の京都嵐山、そして福井の永平寺のものが有名ですが、日本の場合は、先祖などの死者の魂を弔いあの世へ送るための目印という意味があるそうで、日本とタイとは、同じようなことをしていても全然考え方が違うことがあります。
タイの女性が化粧に力を入れる理由は
タイと日本では同じことに対する評価が全然違うという話のひとつに、タイの古くからの格言があります。
ไก่งามเพราะขน คนงามเพราะแต่ง
Kàyガイ(にわとり)+ŋaamンガーム(美しい)+ pʰrɔ́ʔプロワー(なぜなら)+khǒnコン(毛)
kʰonコン(人・この場合は女性)+ŋaamンガーム(美しい)+ pʰrɔ́ʔプロワー(なぜなら)+tɛ̀ŋテーン(化粧) という構造です。
直訳すると、「鶏の美しさは羽根のせい、女性の美しさは化粧のせい」ですが、
ことわざとしては、“似あっていようがいまいが、女性は化粧をするに越したことはない。”という意味になります。
大人の女性が化粧をするのは当たり前ですが、日本では“厚化粧”とか“ケバイ”いう言葉があるように、化粧が濃すぎるのはよくないという文化があります。ナチュラルメイクなどという考え方があるくらいです。タイ女性のあいだでは、自分を“盛る”ことはよいことだという風潮があります。会社に着ていくような服装でも可愛いらしいワンピース姿だったり、髪に大きなリボンをつけている人もいます。化粧も、とても大きくて上に物が載るんじゃないかと思うくらいのつけまつげやカラコンをしたり、仮面のようにまっしろに顔を塗り固めたりする傾向があります。そうして盛りに盛った姿で自撮りして写真をインスタやフェイスブックにあげていたりします。日本だと、“ぶりっこ”的に思われるのを気にして遠慮してしまうところを、タイでは自分をきれいに盛ることを気にしない感じです。
それは最近のSNSの普及もありますが、もともと伝統的に、“にわとりはカラフルな羽毛のおかげできれいにみえるのだから、それでいいじゃないか”というような考え方があるからなのでしょう。
文化の違いですが、興味深いです。
バンコクでは、チャオプラヤ川のアイコンサイアム、シーロムのルンピニ公園、チャトチャック公園など32カ所の会場で灯篭流しや催しものが行われる予定です。
タイ女性の間では、ロイクラトンに一緒に行った人とは仲が深まる、という考え方があります。飲んだ後などにロイクラトンの祭りに女の子を誘ってみるのはいかがでしょうか。
いつも以上に気合を入れてかわいらしく盛った彼女の姿が見れるかもしれませんよ。