6月に入りました。6月といえばジューンブライドという季節でもありますが、タイでは時々、結婚が犯罪に使われることがあります。
最近多いのが、ロシア人被害者です。ウクライナ侵攻による徴兵を逃れるためロシアの若者がタイに来ることが増えているので、タイ人と偽装結婚を勧める業者が暗躍しているそうです。
警察への賄賂を含めて、100万バーツほど請求されるそうです。でも本当の彼らの目的は、そんな大金は用意できないと言うと、「では仕事を紹介するからそれで稼げ」と言って、麻薬の運び屋や密売、東欧の若い女性を騙してタイに連れてきて売春させる勧誘役などの裏稼業をやらせるそうです。
恐怖!「強制結婚詐欺」の手口
われわれ日本人も油断できません。以前からある、日本人などを狙う「強制結婚詐欺」の手口をご紹介しましょう。
急に仲良くなった素人タイ人女性がいるとします。
ただの友人・同僚という関係の場合から、実際に一晩お相手をしたケース、場合によっては「交際」しているというケースもあるそうです。
この女性が、ある日いきなり「私と一緒に田舎に来て、私と結婚したという演技に協力して。もちろん籍は入れなくて良いから。嘘の結婚式をするだけです。」と持ちかけてきます。理由を聞くと、
「好きじゃない地元の有力者が私に結婚を迫ってくるの」だの
「親が“独身なら田舎に戻れ”とうるさい。」
「妊娠したけど男が逃げた。結婚前の妊娠は地元で恥なので形だけ結婚して。あとで離婚したことにするから」
など、妙にリアリティがあるいくつかのパターンがあります。あなたが人助けだ、と思って、しかもその娘になんとなく好意も抱いていて協力してしまうと、大変なことになります。
田舎へ行くと本当に結婚式が用意されていて、両親や親戚、地域の人々にあいさつも行います。ところが式が終わった後に、親や親戚が「結納金で××万バーツ払え」と言ってきます。
あなたが「いや、演技っていうことで協力したんだけど」というと「聞いていない。もしかしておまえは娘をだましたのか?結婚詐欺で訴えるぞ!!」と詰め寄ってきます。タイ語もよくわからず、女性は急に知らんぷりをし、知り合いが誰もいない田舎で一族に囲まれて騒がれるので、警察沙汰になるとめんどうだから手切れ金ということでお金を払った・・・。こういう手口です。
親がグルではなく女性だけが嘘をついているというケースもあるのでその場合だと、親や田舎の人たちは本当にあなたが娘を騙してもてあそび、逃げだそうとしている男だと思い込んで非難してくるので大変です。
子どもができたから結婚して・・・
知り合って時間が経っていないのに、“本当に”結婚したがる女性も要注意です。
「妊娠したから結婚して」パターンもあります。妊娠検査薬を偽造していたり、実際に妊娠していても他のタイ男性との間の子だったりするというケースです。これも結納金を要求したり、中絶料あるいは出産費用が目当ての詐欺です。万一こういう事態になったら、自分が連れて行った病院の医師の妊娠検査を受けることを条件とする(妊娠診断書も偽造の可能性があるため)、感じが悪いかもしれないですが出生後に遺伝子検査で自分との間の子でなかった場合は費用を返済するという一筆をとるなど、あわてないで対策をしてください。この際は信頼できるタイ人を立ち会い人にして話をしてください。
もちろん、ちゃんとつきあっていて妊娠した場合にこういうことをやると、相手との信頼関係が崩れるので、見極めは重要ですが・・・。
とにかく、以前の記事でもお話ししましたが、タイでは事情があって、タイ人同士であっても結婚(入籍)にこだわる人は本来は多くないのです。にもかかわらず、出会って短期間で結婚を求めてくる場合は、不自然と思った方がよいです。素人でも夜の嬢でも、本当にあなたに好意を抱いているタイ女性の場合、結婚という形式にはこだわらず、あなたと一緒に過ごすこと自体に価値を見いだしてくれているはずです。そういう娘の方が多いです。
皆様や、お知り合いでこういうケースがあれば、どうかご注意ください。