
日本的なフレーズをタイ語で言ってみようのコーナーです。
今回は「落としどころ」です。
ビジネスでの交渉が佳境を迎えている時や、誰かと揉めている時に、「落としどころを、どうしよう?」などと考えた経験はあるかと思います。
日本語が少しわかるタイ人に、説明するために別の言葉でいえば「お互いが我慢できるアイデア」といったところでしょうか。
タイ語では似た表現はあるのでしょうか?
タイ語で落としどころをつけるとは
タイ語では
พบกันครึ่งทาง【phóp kan khrʉ̂ŋ thaaŋ】
ポップ ガン クルン ターン
というフレーズがあります。
これが「間をとる」「落としどころを付ける」という意味です。
พบ(ポップ・会う)+กัน(ガン・お互いに~する)+ครึ่ง(クルン・半分)+ทาง(ターン・道)という構造です。
直訳すると、「お互い、道を半分(進んで)会う」ということで、まさに「歩み寄り」ということですね。
タイ人は好き嫌いがはっきりしていそうですが、「間をとる」という極めて日本的な発想に近い言葉もあるのです。
そもそも、「折衝する」とはタイ語で
ต่อรอง【tɔ̀ɔ rɔɔŋ】トーローン
といいます。
ต่อ(トー・続ける/つなぐ)+รอง(ローン・次の/支える)
という成り立ちの言葉です。
文脈によっては「折衝・交渉する」だけでなく「折り合いをつける」というニュアンスにもなるそうですので、自己主張ばかりするのではなく、ある程度妥協してうまく話をまとめるというのはタイでも、交渉につきものであると考えられているわけです。
“トーローン(討論)して交渉まとめる” という語呂合わせで一発で覚えられます。
値引き交渉のときは
ビジネスで「バジェットの折り合いをつけたいのですが」などという場合があります。
英語ビジネス用語で、ごまかしていますが、値引きをしてほしいということを遠回しに言ってもいるわけで、今風に見せかけてこれもある意味日本的な言い方です。
昭和の問屋のおっちゃん風に言えば「勉強してよ~」ということですよね。
タイ語で言う場合は、トーロンにราคา(ラアアカアア・値段)という言葉をくっつけて
ต่อรองราคา 【tɔ̀ɔ raa kʰaa】トーロン・ラアアカアア
とすると、値段で折り合いをつけさせる、つまり「値引き交渉」という意味になります。
値引き交渉というのは客観的にみた状況を表しているので、相手に言うときは(ロット・減らす)を使って
ลด ราคา ได้ไหม 【lót raakhaa dâi mǎi】
ロット・ラアアカアア・ダイマイ?
で、「安くしてくれますか?」という伝え方になります。
トーローン(折衝する)の前半部分の”トー”は、「続ける」「つなぐ」などいろいろな意味があってよくタイ語で使う言葉です。
たとえばトー+WiFi ต่อWiFi (トーワイファイ)
で、Wifi・ネットにつなぐ、という意味です。
助動詞のอยาก(ヤアアク・~したい)をつけて
อยาก ต่อWiFi(ヤアアク・トー・ワイファイ)
とスマホを出しながら言えば「Wifiにつなぎたいんだけど」という意味なので、パスワードや接続ポイントを教えてくれるはずです。
トーの後にウェラー(時間)をつけて
ต่อเวลา【tɔ̀ɔ weelaa】トーウェラー
ต่อ (トー・続ける)+ เวลา(ウェラー・時間)とすると
「延長する」という意味になります。
カラオケスナックで、もうちょっと飲んでいこうかな、というときに日本語でなくタイ語で「トーウェラー!」と言うとタイっ娘たちの好感度がぐっとあがりますよ。
今晩は、カラオケスナックでタイっ娘たちにタイ語を披露しながら、鷹揚に「トーウェラー(延長)」しちゃってください。気に入った娘がなかなか、夜のデートに付き合ってくれない…なんていうときは、
พบกันครึ่งทาง (ポップ ガン クルン ターン)と言って歩み寄りを呼びかけましょう!