エカマイのホルモン焼・カラオケスナック「アイーン」です。
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フィリピンで「ボルテスV」(ファイブ)という日本の昔のアニメが実写にリメイクされて、2023年4月19日から映画版が公開され、5月8日からはテレビドラマが開始となります。フィリピン駐在経験のある方や東南アジアに詳しい人は「そこまでやったか!」と感じると思いますが、なぜ日本の古いアニメがフィリピンで大人気なのか、タイにも同じようなことはあるのかについてのお話です。
フィリピン人が感涙する「ボルテスV」とは
「ボルテスV」とは1977年に東映が制作したテレビアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」です。50代以上の方なら観たことがあるかもしれないです。
ボアザン星の皇帝が皇子のハイネルを指揮官とした地球侵略軍を派遣、これに対し主人公ら5人の男女が巨大ロボ・ボルテスVを駆使して戦うストーリーです。主人公らの父であるラ・ゴールは、元はボアザン星の皇位継承者だが現皇帝の策略で地位を奪われ地球亡命した人物であり、つまり主人公はボアザン星人と地球人とのハーフだったことが途中で判明。一方で侵略軍指揮官ハイネル皇子は、このラ・ゴールがボアザン星時代にもうけた息子で主人公らの異母兄にあたり、皇帝にとってはかつてのライバルの実子なので疎ましい存在でもある、というねじれた人物関係になっています。
物語後半では貴族が支配するボアザン星に反乱軍も登場し皇帝打倒の革命の話へと進んでいく展開です。
人気のあまり大統領が放映禁止に!
1978年にこのアニメがフィリピンに輸出されテレビ放映されると熱狂的なブームになります。
当時は、20年以上君臨していたマルコス大統領の時代でした。戒厳令で反対勢力を弾圧し野党指導者が暗殺され、一族に利権が集中しイメルダ夫人は宮殿に大量のドレスや高級バッグを飾っていたとされます。
こうしたなか、フィリピンの人たちは革命を起こす「ボルテスV」という物語を、自分たちの国に重ね合わせて夢中になり、なんと視聴率は58%となりました。
マルコス大統領は危険と感じたのか“暴力的な日本のアニメはけしからん”として「ボルテスV」を途中で放送中止にしてしまいました。
1986年にフィリピンで革命がおきマルコス政権は崩壊します。宮殿を取り囲んだ人々は「ボルテスV」を観て育った世代が多く、デモ中には「ボルテスV」の「地球の 夜明けは もう近い~♪」という主題歌が歌われたそうです。
▼現在でもフィリピンで「ボルテスV」を演奏するマーチングバンド。格好いいです。
https://www.youtube.com/watch?v=uCPXjUbGatw
40年以上たった現在でもフィリピンでは何回も再放送され、今でも「ボルテスV」の主題歌を日本語で歌える人が多く、フィリピン軍の軍歌にも採用されました。
だから今回の実写リメイクへとなったわけです。3年の製作期間をかけた映像は気合の入ったビジュアルで、人気の高さがうかがえます。タイではこのようなアニメはあるのでしょうか。
タイで人気だったのは「一休さん」
昔ですが代表的なのはアニメ「一休さん」です。
タイで40年前に初放送されてから、再放送が何回もされました。
タイは熱心な仏教徒が多い国ですので、お坊さんが知恵で問題を解決するという部分、道徳的な価値観を大事にするエピソード、また、家族の絆が強いタイなので、一休さんの母親への想いという部分などがマッチして大人気となりました。タイの寺には一休さんの像があるところもあり、学校の教科書にも登場し、一休さんを広告に使う商品も売られていました。年配の人はアニメの一休さんの歌を知っている人もいます。
しかし、今のタイの若い人は一休さんを知る人は少なく、フィリピンのように40年前の「ボルテスV」ブームがいまだに続いているような人気はありません。
タイでは一休さんが古くなってしまった理由
なぜかというと、タイの場合「一休さん」以降、日本の文化が大量に押し寄せて、それぞれが人気となったからです。
たとえば、古くは「ドラえもん」や「Dr.スランプ アラレちゃん」も放送されて大人気になりました。黒ぶちの大きなメガネをしている子に「アラレ」というと意味がわかる人も以前はよくいました。
ガンダムのプラモデルを作る大会が開催されたり、日本語のアニメ主題歌を歌うYouTuberもいます。
プロンポンにある紀伊国屋書店には、タイ語翻訳された「鬼滅の刃」から、古典的な「ドラゴンボール」「めぞん一刻」、手塚治虫作品までが並んでいます。
最近は地下鉄MRTなどに乗るとタイの緑茶メーカーが漫画の「ワンピース」を使った車内広告を出しています。
つまり日本のアニメ文化は、タイでは一つの作品にとどまらず、ブームを通り越してもはやスタンダードになっているといえます。
タイの今の若い娘が夢中なのは…?
でも最近タイの若い女の子は韓国のイケメンアイドルに夢中になっています。ジャニーズがんばれよ、と思いますが、日本国内で男性アイドル市場の一強状態だったことで国際競争力を失ったツケがまわってきたのでしょうか。若いかっこいいタレントも多いのに以前ほどタイでは知られていないのがおしいです。ほかのジャンルにも通じる話で教訓にしたいところです。
タイでの日本文化は、以前の一強的人気の状態から変わってしまっているジャンルもあり、他国に押され気味なのですが、いまいちど頑張ってもらいたいものです。
今晩は選挙前の禁酒日の前日です。
タイっ娘と飲みながら、日本文化の布教がてら、日本の懐かしの漫画や音楽の話をしてみたり、一緒にアニメソングをカラオケで歌うという趣向はいかがでしょうか?