
先日、日本大使館からの注意喚起が出ました。タイ当局によるウィグル人の中国への強制送還に伴い、タイでのテロの可能性があるという警告です。
(在タイ日本大使館ホームページ)
https://www.th.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
タイ国内メディアによると、キッラット警察庁長官が、先日、タイで11年間にわたり身柄を拘束されていたウイグル人40人を中国に強制送還したことを明らかにした、とのことです。これに抗議のテロが起きる可能性がある、ということで日本大使館の注意喚起となったわけです。
しかもロイターの報道では、事前にカナダとアメリカがタイ側にウィグル人の亡命を受け入れるとして水面下で申し出ていたが、タイ当局は中国への送還にふみきったということらしいです。これは恨みを買いかねません。
人がバラバラになったエラワン爆弾テロ
実際に10年前にバンコクで爆弾テロ事件が起きています。
2015年、今回同様、タイ当局は亡命を希望していたウィグル人109名を中国に強制送還しました。
同年8月17日、サイアムエリアのエラワン祠前の交差点で爆弾が爆発、中国やシンガポールなどからの観光客など20名が死亡、125 人が負傷しました。サイアムのセントラルワールドの斜め向かいです。日本人駐在員も一人巻き込まれ、意識不明の重傷を負いました。当時、近くを通りかかった人から話を聞いたことがありますが、ちぎれた手や足が路上に転がって、凄惨な光景だったそうです。
犯行声明はないですが、トルコの偽造パスポートを持った国籍不明の男が逮捕されています。当時のタイ軍事政権に反対する勢力、南部の独立勢力など諸説あるのでウィグル関係とは断言できないですが、可能性が高いとされています。
我々はタイでテロにあわないため、どう気をつければよいのでしょうか。
エラワン爆発寸前と直後のドライブレコーダー
タイで過去にテロが起きた主な場所
2015年にはエラワン以外でもあちこちでテロ・テロ未遂事件が起きています。その場所をあげていきましょう。
2015年2月 サイアムパラゴン近くの歩道橋
2015年4月 サムイ島セントラルモール地下駐車場の自動車
2015年8月17日 ラチャプラソン交差点(エラワン廟)
2015年8月18日 タクシン橋サトーン桟橋
また、この事件とは関係ないですが2006年の12月31日から1月1日にかけてもバンコクで連続爆弾テロが起きていて3名死亡しています。場所は以下の通りです。
・戦勝記念塔近くのバス停のゴミ箱
・クロントゥーイ市場内のゴミ箱
・スクンビット62の派出所付近
・サパーンクワーイ交差点の派出所付近
・シーコンスクエア内の駐車場(不発)
・ノンタブリーの派出所付近
・ゲイソンプラザ付近 電話ボックス
・プラトゥナーム交差点付近のレストラン
MRTやBTSの入口ゲートに金属探知機が設置されたのは、この2006年連続爆破事件がきっかけです。20年近く経ち、ゲートで警報が鳴っても係員はほぼ荷物チェックをしませんが、元はゲートができるのは当然という大事件でした。
当分近づかない方が良い場所6か所
こうして傾向を分析してみると、
1,観光客が滞留する場所
2,モールの駐車場
3,派出所の近く
という特徴があります。これに加えて、もしウィグル系が関係しているのであれば、
4、中国大使館の近辺エリアなど中国人が出入りするビル
5、KTV(中国人向けカラオケ)など中国人客が多いエリア
6、中華街(ヤワラート)
といった在タイ中国人・観光客が訪れそうな場所にも、半年くらいは近づかない、という対策が必要かと思われます。