バンコク・エカマイのカラオケスナック「アイーン」です。タイでは本日5月13日をもって雨季入りしたと、タイ気象局が発表しました。これで、10月上旬まで雨の季節が続くことになります。1日中降るわけではないですが、外出の時に傘を持たないといけないのがめんどうくさいですね。
タイの雨季の“あるある”をみてみましょう。
タイの雨季あるある現象
スタッフや業者が来なくなる
皆さまの会社や事業所、お店をやられている方などは、雨の時はスタッフが遅刻するようになるようになったという経験がある方は多いでしょう。普段はしっかりしているスタッフでも連絡なしに出勤してこないので、重要な用事がある場合などは連絡すると「雨が降ったので遅れます。」などと返事がきます。それなら良い方で予定がキャンセルになることもあります。
道路が水没する
雨が降り始めて小一時間もすると、スクンビットエリアの小さいソイ(路地)などは小さな池みたいになってしまいます。毎年そうなることはわかっているのだから、排水設備をなんとかできないものなのかと思ってしまいます。
なぜか頭にビニール袋をかぶる
タイ人はなぜか、雨が降ると、スーパーのビニールを頭にかぶりだします。タイでは頭は神聖な場所なので濡らせるとよくない、という考えで行っているのだそうですが、いい大人でもビニールをかぶるので、われわれからみると不思議な習慣です。
道路やデパートの地面がこわい
雨季になると道路が濡れてとてもすべりやすくなってこわいですね。どういうわけか、バンコクの道路の歩道はアスファルトやコンクリではなくわざわざタイルを使っているところがありますが、とても滑りやすくなるので、要注意です。一番怖いのは、デパートやオフィスビルの入り口で、高級そうな大理石みたいな敷石にしている所が多いのですが、ゆっくり歩いても転びそうになります。
雨だとタクシーが、ぼったくりになる謎
バンコクのタクシーは初乗りが35バーツですが、雨が降り始めてからタクシーをとめると、メーターを使ってくれず「200バーツ」とか「300バーツ」などと言いだします。「メーター」は?と促しても「いや、今は雨だから。」と雨料金を主張してきます。でもこれはたいした根拠がないのです。
バンコクの都心からある地点まで行く用があったときに雨になり運転手がメーターを使わず「200バーツ」と言ってきたことがあります。しかたなく払ったのですが、雨が上がり帰る時に、別のタクシーがちゃんとメーターを使ったところ、同じ道のりなのに250バーツほどかかりました。「行きの運ちゃん、損してるじゃん」と思ったものです。意外と何も考えないで「雨だから雨料金」と言っていることがわかりました。
タイ人の考え方がわかる?雨の格言
雨にちなんだタイの古い格言をご紹介しましょう。古い言葉には民族の伝統的な価値観などが染みこんでいますから、こういった言葉を知っているとタイの人のものの考え方を理解する参考になるかもしれません。
ฝนตก อย่า เชื่อ ดาว มี เมีย สาว อย่าไว้ใจ แม่ยาย
fǒn tòk yàa chɯ̂a daaw mii mia sǎaw yàa wái cai
直訳すると「雨がふるかは星空を信用するな、若い嫁の義母を信用するな。」という意味になります。これだとちょっと意味不明なのでじっくり調べてみます。
まず、前半部分についてですが、夜に星が出ていたら雨は降らないですが、熱帯地方のタイの場合は急なスコールがあることがあります。雨季ならなおさらです。だから「星が出ていても雨が降らないなんて思うな。」という意味です。
後半部分については、皆さんご存知の通りタイは極端な縦社会であり目上の人や親をとても大事にする文化ですよね。ましてや嫁さんの母親ならとても気を遣います。
このことわざのなかでは「若い嫁」(10代~20代)といっているのでその母親世代というのは40~50代くらいの女性です。隠居したおばあちゃんではなく、ばりばり現役世代の中年女性のことを表しているのです。しかもタイは男性より女性がしっかりしている女系社会ですね。だからこれはタイ社会をひっぱる女性のことを示しますが、そうした行動力と見識のある女性でも間違うことはあるので意見を鵜のみにしてはいけない、という意味になります。
だからこのタイのことわざは「星空の夜でも雨が降らないと思うな、しっかりしているお義母さんであっても正しいと思うな。」ということで、“どんなことでも絶対ということはないのだから気をつけなさい“という格言なのです。タイでの女性の強い立場もわかる言葉ですね。
逆に言えばそのくらい、タイの雨はいつ急に降ってくるかわからない人智を超えたものとして昔からタイの人たちに思われているものだということです。スタッフや業者が雨を理由に遅刻した時に、我々日本人が「雨が降る季節だとわかっているんだから早く家を出ればいいじゃん。」と思うのは、タイの人たちには通じにくい考え方なのかもしれません。われわれも、あまり予定にせかせかしないで、雨の降る夜は雨宿り感覚でスナックのカウンターでゆったり女の子とお酒を呑んでいる方が、余裕のある大人にみられるかもしれません。