先日、タイ南部のパンガー県で世界有数のリチウム鉱床が発見されたと報道されましたが、実際はレピドライトという鉱物だったことがわかりました。それでも約0.45%のリチウムが含まれており、EV(電気自動車)の電池製造に役立つとされています。
土を掘ったら宝の山、といえば、日本の徳川埋蔵金の話を思い出します。出ないとわかっていても、ロマンがありますね。
タイにも埋蔵金の話があるのです。今日はタイのお宝都市伝説についてみてみましょう。
埋蔵金を探し掘った穴は30メートル!
2014年5月、タイの西部、カンチャナブリにある国立公園で勝手に地下を掘っていた4人組の男たちが逮捕される事件がありました。この地に埋蔵金があるという噂があり、それを探すのが彼らの目的でした。報道で明らかになったのは、このような洞窟でした。直径1~2メートルの穴で長さは約30メートルほど掘り進まれており、なんと空気を送り込むエアダクトまで設置しての本格的な作業だったということです。なぜここまでの執念をもったのでしょうか。
なぜ旧日本軍の軍資金がタイに?
彼らが探していたのは、旧日本軍の軍資金です。第二次世界大戦中、日本軍は、泰緬鉄道の建設を進めていました。イギリスが植民地にしていたミャンマー、インド攻略の物資運搬のためでした。カンチャナブリはその建設現場だったのです。映画「戦場にかける橋」の舞台ですね。結局、日本は敗北、タイから引き揚げることになります。
当時の日本軍の上層部には、本土がアメリカに占領されたあと、力を蓄えて数年後に東南アジア諸国で決起するという秘密構想があったそうです。実行はされませんでしたが、フィリピンのルバング島で戦後29年間隠れていた諜報員・小野田さんは、60年代にベトナム戦争に向かう米軍機を見ていて「計画通り反撃が開始した」と判断したためジャングルから出てこなかったそうです。
この時のために日本軍は各地に軍資金を埋めた、というのがタイでの埋蔵金伝説の根拠となっているのです。フィリピンでいう「山下財宝」伝説です。
裏付けはないため真実かどうかはわかりませんが、話としては面白いです。
タイでは埋蔵金探しがブームに
このためタイでは旧日本軍の隠し財宝があると考える人がいて、昔から探す人がいます。
2001年にも、カンチャナブリの山に何かが埋まっているという情報が流れて、発掘が行われたことがありました。当時のタクシン首相も視察に来る騒ぎになり、アメリカの企業に依頼して人工衛星からの電波探索も行われました。
しかしこのとき山中から出てきたのは、金塊ではなく昔アメリカが発行した債券であり、しかも偽物だったことがわかりました。
タイでは定期的に埋蔵金情報が出回り、宝探しハンターがあちこちで活動しているのです。
ついに埋蔵金が発見された!
そして、ついに埋蔵金が発見されたのです。
2018年の5月、ミャンマーとの国境近くのメーソートエリアで、政府の主導でゴム園を作るため地元の農場主らが開墾作業をしていたところ地中に謎の洞窟が現れました。
内部を捜索したところ大量の金塊が出てきたのです。
金塊は本物の古い金インゴットで製造元がわかる刻印はなく、分量は数トンもありました。
タイ政府の事業だったため金塊はすべて国庫に入ってしまい、発見者である農場主らは裁判も起こしたそうですが、結局、国有財産となったようです。この金塊が誰によって埋められた物なのかは判明していません。
麻薬マフィアの取引金だとか、資産家の脱税など諸説あります。もし旧日本軍のものだった場合、ミャンマーから撤退してきたラングーン部隊が埋めた可能性があるそうですが確証はなく、イギリス軍の追撃でぼろぼろの中、これだけの金を持っていたのか疑問も残るそうです。
いったい何だと思いますか?
しかし、本物の金が地中から出てきたことは事実ではあるので、夢がある話です。
タイで埋蔵金を掘り当てて一攫千金、風呂に札束とタイ美女をはべらせて乾杯、やってみたいものですね。大量の埋蔵金でなくてもよいから、仕事で新しい取引先を1社見つけたり、カラオケスナックでお気に入りのタイ美女の原石を発掘、というような、ちょっとしたお宝発見をしてみたいところです。