エカマイにあるホルモン焼・カラオケスナック「アイーン」です。第Ⅰ部18時~21時はホルモン焼き店として、第Ⅱ部21時以降は通常のスナックとして営業しています。
4月のタイはタイ正月のソンクランの他に、徴兵の季節です。今年も徴兵検査のくじ引きが行われました。例年話題になるのが、検査会場に現れるかわいいニューハーフの「男の娘」達です。
タイの徴兵検査にやってきた美人のニューハーフ娘たちをみながら、タイの徴兵制度について研究してみましょう。
トップバッターはこの娘です。
美人さんですが、この娘は徴兵検査にやってきたニューハーフです。体をいじっていますが、戸籍上は男性ですので徴兵検査を受ける義務があります。手に持っているのは晴れて“ニューハーフである”と判定された軍の証明書です。
タイの徴兵制度は、タイ国籍の男性で徴兵検査に合格した者のなかから、くじを引いて“当たり”を出した人が徴兵されるというものです。2年間の兵役を勤めることになります。
毎年4月、満21歳のタイ男性に招集がかかります。
まず、身体検査を受けます。
身長145cm以上、胸囲は息を吐ききった状態で75センチ以上ない場合は身体検査不合格となります。このほか、体重が重すぎないか、体が不自由であったり病気などがないかも判定されます。
この身体検査の際に、ニューハーフの人の判定が行われます。性同一性障害という診断になれば不合格、つまり兵役に就かなくてよくなります。医師による検査で診断するので、兵役逃れの偽オカマは、ばれるようになっています。
このほか、高校時代に授業と別に軍事訓練の単位をとった人や、親が高齢・貧困で生活を支えないといけない場合などは、徴兵が免除されたり延期されます。
また、自分で志願した場合は2年間ではなく6ヶ月の兵役で済むそうです。もし皆様がタイの若者だったら、こうした回避策をとりますか?それとも一か八かのくじ引きに賭けますか?
もちろん、士官学校に進むなど自分で職業軍人を志願している場合は徴兵検査での入隊はせず、一般の兵隊ではなく下士官の階級からスタートできます。
合格した人は、会場に集められます。名前を呼ばれたら一人ずつ前に出て、このように壺に入ったくじを引きます。ひいたくじは、軍の担当者が受け取って開封し中身が何だったかをその場で読み上げます。
“当選率”はその年のそのエリアの自主志願者の数によって変わります。3分の1から5分の1の確率です。当たりくじには、「陸軍」「海軍」「空軍」のどれかが書かれています。
くじをひいた後、担当者がそのくじの結果を読み上げる際に、若者の両脇に軍人がやってきてこのように両腕をがっちりフォールドします。これは、“当たり”を宣告された若者が走って逃げようとするのを取り押さえたり、ショックのあまり気絶してその場で倒れてしまうので、体を支えるために準備しているのです。
まるで死刑宣告を待つみたいな表情です。
「徴兵免除」と告げられた若者はこのように大喜びです。あまりにも素直な喜びように、周りの軍人たちも笑っています。
一方、“当たり”の宣告です。このように気絶してしまいました。
陸軍や空軍でしょうか?それとも猛烈なしごきでタイの若者達の恐怖の的で有名な海軍だったのでしょうか?
彼にはこれから2年間の軍隊暮らしが待っています。
もちろんニューハーフの娘らはくじ引きは免除です。
それにしてもかわいい“不合格者”たちです。
くりかえしますが、本日のこの記事の写真には、生まれたときからの女性は一人もいません。
徴兵検査会場でなく、バンコクの町中や、バーの片隅などで出会ったら見分けることはできますでしょうか?
とてもタイらしい4月の風景でした。